本堂前の樹木の下に、表に彼の次の和歌、裏に友人石川雅望(宿屋飯盛)による彼の人となりを記したものです。


故郷のおやの袖にもどるかと おもへば月はふたつなきもの


尚左堂俊満 ( 1757 ~ 1820 ) は幕末の浮世絵師で戯作者でした。


本姓を窪田 ( 窪とも称した ) 安兵衛といい、生来、左利きの故に尚左堂、また左尚堂と号しました。

その色彩感覚は繊細であったとされます。


また、多芸であったとみえ狂歌では一筋千丈、川柳では塩辛房、戯作では黄山堂、あるいは南陀伽紫蘭と称しました。

窪俊満・石川雅望ともに、台東区蔵前 3丁目の正覚寺 ( 榧寺 ) に、隣り合って葬られています。

1290a

1290b