吉田蔵澤 ( ぞうたく )


蔵澤は松山藩士で、南画家として高名である。


享保七 ( 一七二二 ) 年松山に生まれる。


野間郡、風早郡の代官、物頭などをつとめ、施政に当っては民衆の幸福を第一としたので、広く藩民から慕われた。


蔵澤は政務のかたわら、画道に精進を続けた結果、墨竹において独特の妙義を発揮した。


その墨竹は、一切の画法を脱皮し、豪快な筆致で竹の本質を描写し、神業に入るといわれる。


蔵澤の愛用した雀印は宮本武蔵遺愛の印章であると伝えられている。


武蔵の絵にはきびしい勝負の世界に生きる、すさまじいまでの気迫が感じられる。


蔵澤の絵は温かい人間の情感をこめた陶酔がある。


性格は違うがともに武人らしい気魄があふれ、武士の絵の双璧といわれる。


近年、蔵澤は池大雅、与謝野蕪村と並び賞せられるようになった。


享和二 ( 一八〇二 ) 年に逝去した。
(案内板より)


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