有島武郎集を見ると、夫人安子が大正四年 ( 1915 ) から五年にかけて杏雲堂平塚病院の別棟病室に在ったことが載っている。


その間武郎は病妻のために、愛情を傾けつつ詩作品を書き続けた。


「平凡人の手紙」「死とその前後」をはじめ感想、日記、書翰などかなりの量である。


また、病床の夫人には「松蟲」に著がある。


「召し給ふ星のまたたく遠方へ いざわれ行かん君と別れて」は夫人が武郎に贈った絶詠である。
(案内板より)

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有島武郎

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