松代の民話

酒飲み弥勒 ( みろく ) さん

 - お小僧に化けて酒を買いに -

こがらし吹くある日の夕方、中町の酒屋へ「明徳寺 ( めいとくじ ) です。お酒を一升 ( いっしょう ) ください。」と ひとりのお小僧がやってきました。

「うちの和尚 ( おしょう ) さんとってもお酒好きなんです。」

そして毎晩毎晩やって来ました。

年の暮れに、寺へ代金を受け取りに行くと「酒代?わたしは酒は飲まんよ。小僧なんていないよ。」

酒屋は代金をとれずじまいで、ぷんぷん怒 ( おこ ) りながら家へ帰りました。

ところがその日の夕方、例の小僧がまたやってきたのでつかまえて柱にしばりつけてしまいました。

翌朝、逃げ出した足跡 ( あしあと ) を追って明徳寺の弥勒堂 ( みろくどう ) をつきとめ、開けて見たところ弥勒さんがなわでしばられて、酒の匂いをぷーんと漂 ( ただよ ) わせておりました。
(案内板より)

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